日本を代表する料理人である料亭菊乃井主人村田吉弘氏直伝の「つや姫」のおいしい炊き方と「つや姫」にぴったりな美味しいおかずレシピ紹介動画。「つや姫」の魅力も相まって、シンプルな中にもちょっとしたコツで、いつものメニューをもっと美味しくいただけるノウハウが詰まった動画です。
村田吉弘さん
Profile株式会社菊の井 代表取締役/NPO法人日本料理アカデミー理事長
京都・祇園の老舗料亭「菊乃井」の長男として生まれる。立命館大学在学中、フランス料理修行のため渡仏。大学卒業後、名古屋の料亭「加茂免」で修行を積む。
1993年、株式会社菊の井代表取締役に就任。1976年、「菊乃井木屋町店」を開店。2004年、「赤坂菊乃井」を開店。
自身のライフワークとして、「日本料理を正しく世界に発信する」「公利のために料理を作る」。また「機内食」(シンガポールエアライン)や「食育活動」(医療機関や学校訪問・講師活動)を通じて、「食の弱者」という問題を提起し解決策を図る活動も行う。
2012年「現代の名工」「京都府産業功労者」、2013年「京都府文化功労賞」、2014年「地域文化功労者(芸術文化)」を受賞。
著書に、『儲かる料理経営学~ケチなお店にお客は来ない~』日経BP社(2014年6月)、『英語でかんたん和食』講談社インターナショナル(2011年3月)、『きちんと日本料理(別冊きょうの料理)』NHK出版(2009年1月)等、他多数。
NHK「サラメシ」でお弁当ハンターとして活躍中の阿部了さん。お弁当をこよなく愛する、いかにも阿部さんらしく、冷めても美味しい、お弁当にもぴったりのつや姫を「我が家の米」と明言します。そんな阿部さんが、つや姫のおいしさの源を確かめるため、2日間にわたり、山形県のつや姫農家に密着しました。
実は、阿部さんのお父さんのご実家が鶴岡市で、小さい頃にお風呂場の窓から眺めた平野一面の田んぼの風景を忘れないと話します。“父、そして、つや姫が生まれ育った山形県”には、阿部さん自身の食の原風景が広がっていました。
阿部 了さん
Profile1963年東京都生まれ。国立館山海上技術学校(千葉県)を卒業後、気象観測船「啓風丸」に機関員として4年間乗船。その後、シベリア鉄道で欧州の旅に出て写真に目覚める。東京工芸大学短期大学部(現在は東京工芸大学)で写真を学ぶ。立木義浩氏の助手を経て、’95年にフリーランスとして独立。2000年より日本中を回って手作りのお弁当と、食べる人のポートレートを撮影する旅に出る。2007年4月号からANAの機内誌「翼の王国」に「おべんとうの時間」として発表。現在も連載中。「おべんとうの時間」の単行本はシリーズで4巻(台湾、中国、韓国、フランスでも刊行)
2011年からはNHK「サラメシ」にてお弁当ハンターとしても出演中。2016年より「お弁当甲子園」審査委員(鎌倉女子大学主催)。2020年より千葉県館山市の「写真大使」に。最新刊に「東京商店夫婦」(交通新聞社)。
阿部さんがまず訪ねたのは、鶴岡市の松浦家。尚宏さんで13代目、江戸時代初期から続く稲作農家です。この時期は、だだちゃ豆の収穫がピークを迎えていると聞き、だだちゃ豆畑へ。
作業開始は4時半。気温が低い早朝のうちに収穫し、昼には出荷を終えます。鮮度の良さがだだちゃ豆の美味しさを決めるからです。あたりはまだ暗く、収穫機械のヘッドライトだけが辺りを照らします。
収穫が済むと自宅裏の作業小屋に戻り、サヤと葉枝の分別、洗浄・脱水、選別・袋詰めが短時間で手際良く進められていきます。
ようやく昼。この日の昼食は、自家製野菜がごろごろ入ったカレーライス。鶴岡では「笹巻」と呼ばれる、自家製もち米を笹の葉で包んでお湯で煮た「ちまき」もきな粉が添えられ食卓に並びました。
松浦さんの水稲栽培面積は約16ha。そのうち4.5haでつや姫を栽培しています。つや姫は、なによりもまず、食べて美味しいこと。そして、全県一体となったブランド戦略に、大きな可能性を感じたそうです。尚宏さんのこだわりは、栽培マニュアルを遵守しながら、いかにいい米をたくさん作るか。それは、農業そのものの面白さにも通じると言い、ハードルが高いほうが自分に向いていると笑います。
デビュー前、「山形97号」の名で試験栽培がスタートした13年前から、つや姫に取り組んできた尚宏さん。自分たちが、つや姫初代なので、先人から多くを受け継いで今の農業があるように、次の世代のためにつや姫を育てていく責任があると尚宏さん。
阿部さんとともに、自宅から少し離れた場所にあるつや姫の田んぼに行くと、陽の光をたっぷり浴びて、稲穂が頭を垂れてきていました。だだちゃ豆の季節が終るとまもなく、稲刈りが始まります。
朝風呂が気持ちよかった。良い温泉だった。ロビーで待ち合わせた阿部さんの第一声です。それは、温泉天国と呼ばれる山形の旅ならではの楽しみ。水の恵みも同じです。出羽三山の主峰で万年雪を抱く月山を源とする寒河江川の清流が、米づくりに欠かせません。
土屋さんが会長を務める「四季ふぁ~む」に到着するとまもなく、朝のスタッフミーティングが始まりました。農作業の短期スケジュールの確認や、地域の農業全体にわたる情報交換が行われます。この時期の主な作業は田んぼの草刈りをはじめ稲刈りの準備、そしてストックなどの花き定植だそう。
土屋家は営農90年以上におよび、3代目になる喜久夫さんは、まだ、つや姫の名前を持たない「山形97号」の実証圃を担当し、デビュー後は「つや姫ヴィラージュ」の村長に就任。つや姫ヴィラージュでは、寒河江市南部地区のつや姫の田んぼを集約して約50haを団地化し、水管理や土づくりを効率化し、技術と意識を互いに高め合っています。
その後、農業法人「四季ふぁ~む」を設立。現在、社長職を息子の喜彦さんに、農作業の中心は同じく広喜さんに任せ、ご自身は会長職に。好きな農業を現役で続けられていること、仕事終わりに山形の酒米で醸す地酒を楽しむこと、満面の笑みで、これ以上の幸せはないと言います。
お昼は、妻つやさんの手によるつや姫のおにぎりと山形名物の芋煮。阿部さんも舌鼓を打ちます。経営を任された喜彦さんは、ふんわり握られたおにぎりを頬張りながらこう話します。
つや姫は特別栽培米で、肥料や農薬の使用に厳しいルールがあり栽培はとても難しいが、誰が食べても、おかずがいらないほど美味しい。一度食べれば必ず分かってもらえる。ネット通販も活用しながら、全国にそのおいしさを広げていきたい。
黄金色に変わりつつある田んぼと、日に焼けた親子。阿部さんのカメラが自然にそちらに向けられました。